トピック&お知らせ : 富山のくすり モンゴルへ
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-11-11 8:03:34 (640 ヒット)

「先用後利」さらに世界へ モンゴルの成功例報告 (北日本新聞2006/3/17)

モンゴルの首都・ウランバートルで来夏、同国内での配置薬の成果を紹介する世界保健機関(WHO)の国際会議が開かれる見通しとなった。配置薬システムの視察で来県しているモンゴル医師研修団のエンフバト団長(前モンゴル保健省副大臣)らが16日、県庁で会見し、明らかにした。モンゴルでの成功例が注目されていることを受けたもので、富山の「先用後利」がさらに他国で導入される可能性もある。
モンゴルは面積が日本の四倍で、人口は二百五十万人。移動生活を送る遊牧民が人口の35パーセントを占め、地方での保健医療体制の充実が課題だった。二〇〇一年にモンゴル政府から相談を受けた日本財団(東京都港区)が配置薬システムに着目し、広貫堂や富山大和漢医薬学総合研究所、県モンゴル友好親善協会などの助言を受け、モンゴルでの普及を図った。

 二〇〇四年度から〇五度まで、約七十五人の医師が分担して五県十五郡にある一万世帯へ、かぜ薬や胃腸薬、止血剤など十二種類が入った薬箱を配布。遊牧民の義理堅い性格もあって代金回収率は75パーセントと高く、配られていない世帯からの希望も相次いでいるという。

 WHO国際会議には、アジアを中心に約二十カ国の大臣級が出席。遊牧民は羊毛や肉を売る春と秋しか現金を持たないため、先用後利のシステムが機能していること、薬の利用が増えて医師の往診回数を減らせたことなどが報告される予定で、富山大などの県関係者の招待も検討されている。

 日本財団の大野修一常務理事は「離島地域が多いフィリピンやモンゴル周辺の中央アジア各国から、配置薬導入を望む声が上がっている。国際会議は富山のユニークなシステムが世界に広がる好機になるだろう」と話している。


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