山旅 : 大猫山 2017/4/30
投稿者: hangontan 投稿日時: 2017-5-12 18:15:31 (417 ヒット)













雲一つない快晴の山日和。馬場島で山仲間に遭遇。一つのパーティーは小窓尾根、もう一つのパーティーは赤谷山へスキーに行くという。私は独り、大猫山と向かった。

馬場島から分岐する白萩川沿いの道は雪で埋まっている。例年なら通行止めとなっているものの、雪はほとんどない。はやり今年の山は遅くまで雪が残るようだ。取り付き直前の渡渉点、川の流れは少なく、容易に橋の下を渡れる。白萩堰堤付近は一面の雪野原で、大猫山への取り付き点が分かりづらい。よおく見ると、ネマガリの笹の中に踏み跡らしき空間がある。

今年の残雪の具合からして、大ブナクラ谷は雪がびっしり付いていると思われるが、昨日の荒天で高所は雪が降ったと予想され、新雪の表層雪崩を危惧して、尾根筋から取り付くことにした。

夏道の両側はネマガリの藪、イワウチワが木漏れ日を浴びて輝いている。カタクリも見られるが、ちらほら。急坂を登り切り、傾斜が緩くなる1050の地点に出ると、いきなり雪べったりの世界が現れる。雪はほどよく緩んでおり、アイゼンを装着するまでもない。先行者の跡が残り、それを追うようにして登る。雪に乗ってからすぐ、休んでいる2名の方と出逢う。剱を撮りに、馬場島を2時に出たとのことであった。振り向くと、大迫力の剱が臨まれた。剱を撮るだけなら、ここに来るだけでも十分だと納得。だが、光の演出が思い描いていたのと違って、あまりよい絵ではなかったとのこと。自分もいつかここまで上がって、写真を撮りに来たいものだ。

ほぼ尾根の右に残る雪の上を行く。急傾斜のところは雪が切れていて、夏道を利用する。途中10メートルほどのナイフリッジが一カ所。大岩のところの雪の付き具合が悪く、左を巻いて降りる。そこを過ぎると危険個所はない。

大猫平で一本とる。小窓隊と赤谷山隊が見えないかとカメラを出す。赤谷山隊は肉眼でも谷筋を登っているのが見える。芥子粒くらいの大きさでしかないが、順調に高度を稼いでいるようだ。

大猫平から東芦見尾根の稜線までは迷いやすい地形。何度も振り返りながら、帰路のイメージを確認して登る。いざとなったら、大ブナクラ谷へ飛び込んで、すばやく行動すれば問題はないかもしれない。主稜線に出てからしばらく右に歩き、丸く盛り上がっている場所で行動を打ち切った。

一脚を取り出し、カメラを設営。50−135ミリのレンズではこの場から臨めるスケールの大きな山並みは捉えきれない。20ミリ前後のレンズが必要と感じた。山に持っていくレンズ、これは迷いどころ。めいっぱい引いて撮りたいし、山並み全体を映して雄大な景色も撮りたい。二本持っていけばよいのだろうが、レンズ交換も億劫だし、重たいし、両方取りは難しい。どっちかを諦めるしかないのか。

先に出逢った二人の他は誰も上がって来ない。毛勝から剱周辺の山々を目の当たりにして、昔歩いたその峰々の思い出が今よみがえる。あんなこと、こんなこと・・・。自分は歳をとったが、山は変わっていない。そんな当たり前のことを、今更ながら感じた一日だった。

馬場島起点 取り付きまで40分 山頂まで4時間 山頂10分 取り付きまで3時間
登り下りとも撮影時間15分程度
下りは、大岩を巻いているとき、ポールが藪にひっかり、ザックから落ちてしまい、探すのに20分かかった

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