山旅 : マダニのこと
投稿者: hangontan 投稿日時: 2017-5-17 20:19:43 (3624 ヒット)

今年の4月30日、大猫山に登ったときマダニに取り付かれてしまった。
これまで30年以上山に入ってきて、マダニというものにお目にかかったことは一度もなく、ましてや食いつかれたことなどなかった。

気が付いたのは、5月1日の夕方、風呂から上がって、体を拭いていたとき。右の脇の下5センチくらいのところにテントウ虫みたいなものがひっついていた。左手でたたいても落ちない、指でつまんで剥がそうとしても離れない。そこで、むしり取るようにして力ずくで剥がした。

テントウ虫のように見えたが、そうではなかった。もしかしてと思ってネットで調べてみると、やはりマダニだった。しかも、食いつかれてからの死亡事例もある危険な「シュルツエマダニ」。大きさは5ミリほどもあった。

今年は残雪も多く、大猫山への行き帰り、藪というほどの藪はなく、笹の中をいく夏道を通ったのは一時間に満たない。その間にマダニに取り付かれていたことになる。しかも、当日風呂に入っており、なんにも気付かず、その翌日も風呂から上がるまで全く気がつかなかった。丸一日以上食いつかれていたことになり、その間、マダニから致命的なウイルスが自分の体内に入った可能性は否定できない。

5月2日、そんな嫌な気分を抱えて烏帽子岳に登った。僧ヶ岳まで行く時間は十分あったが、マダニのことが気になって、モチベーションが上がらず、帰ってきた。その足で皮膚科に向かった(内科、整形外科とも皮膚科を勧められた)。

診断は以下の通り:
・食いつかれた跡は確認できるが、そんなに深い傷ではない
・富山ではまだマダニのウイルスによる症例は確認されていないが石川ではあったかも
・もし、ウイルスに感染していたとすれば諦めるしかない
・潜伏期間が10日から二週間ほどなので、リンパ線が腫れてきたり、熱が出てきたりしたら要注意
・もう食いつかれてしまった後なので、今さら心配しても始まらない
・バイ菌による感染症を防ぐため、抗生物質を処方する

これを書いている5月17日現在、まだそれらしき症状は出ていないので、ひとまず安心していいだろう。

しかし、連休中に毛勝山に入った山仲間も途中でダニに遭遇したというから、私が被った件はまんざら偶然ではないのかもしれない。近年増えているシカやイノシシなどが媒体となって、マダニを運んでいるのでは、と推察する。山菜採りや低山の山歩きもこれからはマダニ対策が必要になろう。注意喚起が望まれる。

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