山旅 : 土倉山 剱岳の撮り収め 2017/12/31
投稿者: hangontan 投稿日時: 2018-1-6 13:18:37 (471 ヒット)





















越年登山をやらなくなって久しく、今年も体をもてあまし気味の歳の瀬。来年こそは何かにチャレンジしようと意味もない時間をだらだらと過ごしていた。しかし、それではいかんと思い、今できることはすぐに着手しようと思って、晴れようが雪が降ろうが、まず現場に行ってみることにした。

まだ暗いうちに伊折橋右岸の除雪してある作業用林道の車止めまで入る。ヘッデンを着けての準備は久しぶり。スノーシューを履き終えるころになって周囲の山々の様子が見えてきた。高曇りの中、剱もうっすらと見える。日の出間際の淡いピンク色に染まった雲を背景に浮かび上がる剱のシルエットを待ってもよかったのだが、それを待っていると何時になるかわからないので、歩き始めることにした。

二日前のものと思われるスキーヤーのトレースを辿って取り付きまで。トレースは正面の杉の植林帯へと向かっているが、やわしそうなので、少し右に回り込んだ末端尾根から取り付くことにした。

急な登りを行くとすぐにスキーヤーのトレースに合流。二日間で雪がいくらか積もったが、トレースがうっすらと残っている。そのトレースも900ぐらいからあやしくなり、1000までくると完全に消えてしまった。曇り空ではあるが、剱と大日を見やりながら、先を急ぐ。

尾根の形状から、登るごとに剱は見え隠れする。西からあやしい雲が接近してくるのが見てとれる。剱が雲に覆われるのは時間の問題だ。ここでカメラを出して撮るという手もあったが、もしかしたら、山頂に着くまでは視界が確保できるだろうとの淡い期待があって、時間がもったいなく、立ち止まらずに先を行くことにした。

剱といえば、越年登山のため早月尾根から入山したパーティーのことが頭をよぎる。明日から悪天候が予想され、アタックするとしたら今日しかない。今日の天候からすれば、早月小屋付近からアタックに出たパーティーもまた時間との戦いを強いられていることだろう。視界が効くうちに、吹雪にならないうちに安全地帯まで降りていなければならないとなると、タイムリミットの見極めが難しい。

それにしても、1000からの登りが長い。歩いても歩いてもまだかまだかと思われるくらい長い。1400に満たない山なのに、気持ちが折れそうになる。剱が一端視界から消えると、あとはひたすらラッセルあるのみ。主稜線に出た時、はたして剱は見えているのだろうか、剱は無理だとしても、毛勝の山々はどうだろうか、その一心で高度を稼ぐ。

そして、待望の主稜線。残念ながら、剱は上半分灰色の雲に覆われてしまっていた。僧ヶ岳から毛勝の山々はかろうじて臨める程度。剱の全貌とまではいかないが、あやしい雲に覆われた剱が今年の撮り収めとなった。

車止め起点 取り付きまで40分 山頂まで3時間30分 取り付きまで1時間20分 車止めまで40分

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