山旅 : ブナクラ谷無情 2018/4/30
投稿者: hangontan 投稿日時: 2018-5-4 14:33:14 (453 ヒット)



















目が覚めたらまだ3時、ちょっと早いと思ってもうひと眠りして起きたら5時を回っていた。あわてて朝食をかき込んで家を出た。白萩川の車止めを出て歩きはじめたのが6時40分。赤谷山を目指すには1時間は遅い時間になってしまった。

堰堤直前の橋は撤去されたままで、そのすぐ上流に太い導水管を埋め込んだ道が作られたのだが、そこに残っている雪を伝って左に回り込む。しばらくは右岸の夏道伝いに行くが大岩あたりから雪渓に乗る。すぐに高さ15〜20メートルほどの岩場が連なる場所を左に見て、クライミングの練習場に使えないものかと想像をめぐらせる。

4名の下山者とすれ違う。上部の様子を聴こうと思ったが、取り付くしまもないような雰囲気だったので声をかけそこねた。デブリでうねっている地点を上下しながら歩いていると、急に下半身が重くなり始め、こうなると次に来るのは予想できたが、予感通り不整脈発作となった。そんなに急いで歩いていたわけでもなく、急傾斜な雪渓でもないのに、突然襲ってくるこの発作にはいつもながら驚かされる。一歩一歩が重たく苦しいので一本取ることにした。

シベノールを飲んで10分ほど休んでから行動を再開。いくらか体は軽くなって、脈も落ち着いてきたが、目指す赤谷山は無理とあきらめ、あとは何処まで足を延ばすかというところ。先行者が一人いるようだから、もしかしたらその人に追いつけるかもしれないとの思いで足を進める。

先行者とはブナクラ谷から右へ赤谷山へとショートカットする谷の少し上部で追いついた。体調が万全なら迷わずその谷を辿っていただろう。追いついたその方と話をしていたら、先日大熊山山頂から見ていた早乙女へと向かっていた人だとわかった。大日まで行ったが誰にも逢わなかったとのこと。

その人は赤谷山を目指し登っていった。自分としては時間も遅く、なにより体調がいつ悪化するともかぎらないので、そこから下山することとした。上天気ではあったが、なんの悔いもなく、かえってすがすがしい思いで雪渓下りを楽しめたのは自分でも意外であった。

白萩川車止め起点 ブナクラ谷1400まで3時間 下り2時間

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