本棚 : 「天地人」火坂雅志 著 ★★★ NHK出版
投稿者: hangontan 投稿日時: 2018-10-12 20:56:27 (347 ヒット)

上杉景勝に仕えた名将、群雄割拠する時代において名脇役とも称される直江兼続を描いた作品。直江という性は我が町内に幾軒かあって、以前からもしかしたら元々越後が本領の上杉家となにかしら関係があったのではないかと気にかかっていた。信長方との魚津城での戦いでは、直江兼続は上杉景勝とともに魚津城を望む天神山に陣取っている。当然兼続ゆかりの寄板衆直江一族も配下として加わっていたと考えられる。その流れの一部が魚津から近い我が町に根を下ろしていたとしても不思議ではない。
ともあれ、上杉家も時代に翻弄された名門のうちの一つであった。一時は越後から東北の覇者も夢ではなかったのに、戦国時代末期の見えざる糸に導かれていく様は伊達政宗のそれによく似ている。覇者への道から生き残りを賭けた政治的な戦いに力を発揮したのが直江兼続だった。

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