本棚 : 「歌舞伎町セブン」誉田哲也 著 ★★★ 中央公論社
投稿者: hangontan 投稿日時: 2021-5-27 9:43:10 (160 ヒット)

「必殺仕掛け人」と誉田哲也警察物ワールドのコラボ。漫画チックな設定だが、こんな作品はもともと力量がある誉田哲也だからこそ書けるのだと思う。たまには、こういうノリの作品もよいのではとも思った。作者得意の青春物の空気感もうっすらと漂っている。
これで、誉田哲也の一連の警察物に幕を閉じたいと思う。彼の描く警察物は立体ジグソーパズルのようなもので、各作品はそれ自体単編として完結してはいるが、そこに出てくる登場人物、警察組織、事件は別の作品との関連性をもって描かれている。どの警察物にもそういった面はあるのだろうが、彼の作品ではそれが巧妙で、あたかも連続もののような印象を与える。

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