学校の授業ではただ五、六行で終わっていたように思うし、またそれだけの知識しかなかった。だが、こうしてそれだけをクローズアップしてみると、江戸幕府末期の「もがき」の一面であった感が募った。主として張本人である井伊直弼とその腹心長野主善の視点から語られている。脇役も多数登場するが、次はその脇役を主人公として描かれた本を読んでみたい。歴史にはいろんな角度から読み解く面白さがある。