山旅 : 上州下仁田のアサギマダラ  2022/9/21
投稿者: hangontan 投稿日時: 2022-9-24 5:32:37 (73 ヒット)







ヒガンバナが田んぼの畔や道路の際に目立ち始めるころ、アサギマダラがやってくる。今の時代、どこに行っても耕作放棄地が目につくが、その一角に植えてあるフジバカマを目指してアサギマダラが飛んでくる。今年は気温が高めに推移しているせいか、9月中旬になってもなかなか目にしなかった。アサギマダラにとっては気温25度ぐらいがちょうどよいようだ。

この日は台風が去って、一気に空気が入れ替わり、やや寒いくらいの朝だった。それが、日が高くなるにつれて、気温も徐々に上がり、絶好の条件となった。フジバカマも満開期とくれば、期待は膨らむ。
11時頃その畑に出かけてみると、あにはからんや、アサギマダラがフジバカの蜜を吸いながら乱舞していた。それも次第に数が増してくる。いったいどこから飛んでくるのか、気が付いたら、フジバカマ畑の周りを飛んでいる。そして、適当な花を見つけては羽を休めて止まり蜜を吸い始める。時たま、羽を広げたりするのだが、そのタイミングがわからない。ジーっとカメラを構えたままその瞬間を待つ。花の周りを舞っている姿を写真に収めたいのだが、せわしなく飛び回る蝶を撮るのは今の私にとってはハードルが高すぎる。また、来年の課題としよう。

さて、畑の持ち主は、アサギマダラを追っかけるのに忙しい。一旦花に留まれば捕獲はそんなに難しくはない。捉まえた後、百円店で調達したホワイトボードに固定して羽にマーキングする。日付、その愛好家グループ記号、捕獲した場所、最後に捕獲者番号とその日の何頭目かを示す数字。そして、放してやる。逆に、マーキングされた蝶を捕獲することもある。

やがて、アサギマダラは南下しながら日本を移動していく。九州、沖縄まで飛んでいくことも稀ではない。そのマーキングされたアサギマダラを確認した人が、ネットを通して報告する。それを知ったときの喜びはなんとも言えない。その人、あるいは地域地域との不思議なつながり、縁を感じる。アサギマダラの魅力はそのステンドグラスのような美しさにもあるが、ふらふらと旅をする蝶への憧れもあるのかもしれない。

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