山の本 : 「黒部の羆」
投稿者: hangontan 投稿日時: 2010-5-7 17:16:38 (529 ヒット)

真保裕一 著 ★★ 講談社

乱歩賞作家を集めた短編集「赤の謎」に載っている。
源治郎尾根に取付いた二人と、山岳警備隊上がりの山小屋主人がおりなすサスペンス仕立てのお話。遭難者に手を差し伸べたら、それがかつて遭難した自分の姿だった。という小話があるが、それを活かして味付けしてある。
登攀の模様はリアルだ。一つ気になったのが、「源次郎尾根」と書かれていたことだ。小説の中では架空の地名が使用されることはままあるが、これは誤植か、作者のミスのいずれかだと思う。長次郎谷はそのままだし、もし架空の尾根にするなら南尾根とでもすればいい。発音まで同じにする必要はない。富山県山岳警備隊も救助ヘリの「つるぎ」もそのまま出てくる。それとも「源次郎」「源治郎」どちらでもいいのだろうか。

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