本棚 : 「春燈」
投稿者: hangontan 投稿日時: 2010-5-7 17:37:48 (438 ヒット)

宮尾登美子 著 ★★★ 宮尾登美子文学全集 朝日新聞社

「櫂」を読んだら次に読みたくなるのが、やはりこの「春燈」である。
「櫂」では主人公の母親の視点で描かれているが、「春燈」は主人公の目線で書かれている。宮尾登美子は出だしがうまい。さらりと、あれやこれや話題を拾っていきながら、いつの間にか主人公の世界に入っいる。
幼少の頃から、小学校の代用教員となり求婚されるまでが描かれている。ほのぼのとした純真な少女の成長記である。主人公の存在は一服の清涼剤のようなものであり、朝の連続ドラマを彷彿させる。求婚される場面ではなぜか目頭があつくなる。ふむふむと次のページをめくってみたら、そこで終わりだった。

印刷用ページ このニュースを友達に送る