徒然書き : ロウバイ
投稿者: hangontan 投稿日時: 2011-2-4 7:03:03 (525 ヒット)



大雪の知らせをきいて、群馬から一時帰宅した。我が宿のある上州富岡は、青空続き。一か月以上も雨が降っていない。冬枯れの地面と乾いた空気、そこは茶色の世界だ。一方、富山は連日の雪、雪、そして雪、曇天と辺り一面白一色の世界。表日本と裏日本、陽と陰。洗濯物が半日で乾き布団も毎日干せる、方や、部屋のファンヒーターを全開にしても三日は乾かない。たった4、5時間しか離れていないのに、両極端の生活環境。富岡の人には富山の冬の大変さは絵空事にしか思えまい。富岡の冬は天国だ。上州とはよく言ったものだ。

ロウバイは真冬に咲く。春一番に咲いてくれるこの花は、花の無い時期にはとても貴重な存在だ。全てが茶色の世界の冬の上州にあっては、黄色のロウバイはあまり目立たないが、この花は切り花にしてこそ真価が発揮される。つーん、としたなんとも言えない、メントールにも似たほの甘い香り。玄関先にでも生けてあれば、戸を開けた瞬間にロウバイの匂いとわかる。なにか浄化作用でもあるかのような高貴な香りだ。そして目に映るのが、やや透明の薄黄色の花。まるで「ロウ」細工のような花。派手さはないが、品の良さを感じさせる。

この花を、正月に楽しもうと、昨年の春に松井田町で苗を購入して、我が家の庭に植えた。一夏で大きくなり、12月には少しだが花芽も着き出した。年の暮れに、小枝を取って、花瓶に挿して、正月を迎えた。しかし、花芽は一向に大きくならず、気温が低いのでダメなのかなと諦め半分で、放置したまま旅に出た。そして、今回、帰ってきて、縁側に開花したロウバイがあった。やっぱり生きていたのだ。花数こそ少ないが、つんとした上品な香りを漂わせている。よかった〜、大満足。これを机の上に置いて愛でながら、今この記事を打っている。本当にロウで作ったみたいな花だ。

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