山旅 : 明星西壁・風ルート 下部2ピッチ 2013/6/16
投稿者: hangontan 投稿日時: 2013-6-17 6:11:44 (801 ヒット)

12年ぶりの明星西壁。
雨の富山を出発し、小滝へと車を走らせた。

登山道を歩いているうちに上空の雲が切れはじめ、晴れ間も見えてきた。だが、壁はまだ乾いていない。特に、出だしの数メートルは濡れており、フリーではとてもいける状態ではない。快適な石灰岩のフリクション登攀を期待していただけに残念。石灰岩は濡れると一気に表面が変化し、ヌルヌルの壁となってしまう。

1P 20m Yリード
幸いボルトが連打してあるので、最初からアブミで行くことにした。だが、ちょっとした足の置き場もヌルヌルで難渋する。ところどころ乾いた部分もあるのだが、シューズが濡れていて、フリクションが効かない。タオルでシューズの濡れを取りながらだましだまし進む。アブミからフリーに移る時も足が全く信用できなく、緊張感は増す。ボルトが連打してあるビレイ点で一旦ピッチを切る。ハンギングビレイでMを引きあげる。

2P 25m MリードからYに交代
Mが果敢にハング壁を乗っこそうとするのだが、次の一手がみえない。次のボルトまでが遠いのだ。そこまではどうしてもフリーでこなさなければならない。手掛かりや足の置き場がみえてない。濡れ壁の怖さもある。残念ながら、トップをあきらめ小生と交代することにした。
確かに、一瞬途方にくれてしまう。やや躊躇したが少し右に振りながらなんとか次のボルトのところまでロープを延ばす。あとは順調にアブミ、フリーを交えながら2ピッチ目の終盤までなんなく行く。だが、最後の小カンテ状の乗越しで長考。本来ならフリーで乗っこす快適部分なのだろうが、怖気づいて一歩が踏み出せない。しかたなし、左の草付き壁を利用してなんとか突破。ビレイ点のあるバンド状の地点に立つことができた。

この頃より小雨となり、岩壁は濡れ度合いを増していった。セカンドが上がってきたときには、完全に濡れ壁となっていた。これから先の2ピッチの快適スラブを楽しみにしてだけに残念無念。まぁ、次回のお楽しみにということで。ガスに霞んだニッコウキスゲが我々の撤退を見送ってくれていた。

同行者:M嬢
登攀時間:2ピッチ4時間

「明星西壁・竜ルート 2001/5/28」























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