昔の推理小説は単純にして明解。犯人を突き止めるこつは犯人になりきって考えてみること。ブラウン神父は彼が解決したいくつかの事件を振り返る。彼は現場のわずかな手掛かりから犯人を特定し、動機と犯行の手口まで見破ってしまう。その手際のよさが何とも小気味いい。探偵小説の楽しみの基本の基がつまっている。