本棚 : 「まほろばの疾風」 熊谷達也 著 ★★ 集英社
投稿者: hangontan 投稿日時: 2014-12-31 17:49:30 (472 ヒット)

熊谷達也、二冊目。先に読んだ「漂泊の牙」がおもしろかったので、熊谷達也をまとめて読んでみることにした。

蝦夷の星「アテルイ」の物語。前作ほどのインパクトはない、というよりもややがっかり感が強い。全体を通しての筋立ては悪くはない、冒頭から受ける印象は期待感十分。だが、こまかな章単位の物語に予定調和が目立つ。会話、特に男性と女性とのやりとり、に違和感がある。山の描写や物語性に比べて交わされる現代口語調の「くだけた」セリフはこの作品ではアンマッチにしか感じられない。

はじめてアテルイの物語を読んだが、他の著者の作品ではどういう話になっているのか興味がわいてきた。次は高橋克彦の「火怨」でも読んでみよう。

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