山旅 : 早乙女岳2011P 強風と新雪 2015/4/16
投稿者: hangontan 投稿日時: 2015-4-19 19:21:50 (544 ヒット)









寒気の流入と低気圧の東進で天気がネコの目のように変わる今年の春。そんな天気の晴れ間をねらって山へと出かけることにした。

冬季閉鎖されていたアルペンルート全線開通の便りが届いたので藤橋のゲートが開いているかと思ったら、しっかり閉じていた。いつものように称名川沿いの道路を歩く。

雪の量は平年並みとみる。ツボ足でほどよく沈み込む雪の上を歩いて人津谷を遡る。左手の臼越山に朝日があたり、スカイラインがバックの青空を背景に映える。文登研のコルには向かわず、一つ手前の右の尾根を行くことにした。尾根の右のルンゼ状斜面を登り、二つ目の支尾根から取り付く。

1000あたりから昨晩降ったと思われる新雪が足にまとわりはじめる。高度を上げるにつれて新雪は深くなる。登りつめたところは文登研から少し登った1380のプラトーだった。

1550の尾根から前大日までは左の斜面をトラバースぎみにいく。ツボ足だと深く沈み込むようになってきたのでワカンを履く。稜線上は称名側から強烈な風が吹き抜けている。ワカンでくるぶしから脛までのラッセル。予想だにしなかったすさまじい風が体温を奪い、気力、体力が萎えて行く。たまらず、オーバー手袋とダウンジャケットを取り出した。その時、風にあおられてジャケットの収納袋とオーバー手袋の片方が飛んでいってしまった。

前大日を過ぎるとところどころクラストしている場所が出てきたので、ワカンをやめてアイゼンにした。昨年雪が切れて細尾根となっていた個所はまだ十分に雪が付いており安心して通れた。ただ、強烈な向かい風が行く手を阻む。こんな低山でしかも今の時期、ダウンジャケットを羽織っての登行はあまり記憶にない。2011への登りでは息がかなり荒くなってきたので過呼吸にならないよう意識する。

こうなるとただただ剱の見えるところまで、その一心でだるい足を進める。そして待望の2011ピークを越えてさらに次のピーク。剱を目にした瞬間その場にへたり込んでしまった。荒い息を整えようとするがなかなか息は収まらない。

どのくらい座りこんでいただろうか、少しばかりのレーションとたっぷり水分を摂ってから下山にかかった。

登り:藤橋ゲート起点 5時間20分 下り:4時間
去年のタイムが4時間50分と3時間10分。いくら新雪ラッセルと強風というマイナス要因があったにせよ、この時間差と疲れ具合にはかなり参った。

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