山旅 : 大日岳 2015/7/19
投稿者: hangontan 投稿日時: 2015-7-26 18:03:30 (531 ヒット)













一か月ぶりの山は大日岳。この間全く体を使ってないので体調が不安。
八郎坂を登って弘法あたりへ散策にでも行こうと家を出た。称名の駐車場で準備を整え歩きだそうとしたら、大きな看板に目が留まった。「八郎坂は土砂崩れのため通行禁止」機先をそがれてしまった。「通行止め」なら行ってみて様子見ということも考えられたが、「通行禁止」となればそうもいくまい。行き先を大日岳へと変更して山に入った。

登山道に入るなり、血吸い羽虫が付きまとう。前日の雨の湿気が残る山は彼らの天国だ。木々に覆われた登山道となればなおさらうっとうしい。目や鼻、耳、口の中まで突っ込んでくる。放っておけば露出した皮膚に取り付いて血を吸いまくる。その後の痛痒さは強烈。奴らから解放されたのは、大日平の開けた湿地帯の一部と、大日小屋のすぐ手前、標高2200ぐらいになってから。それ以外はずーっと彼らと悲惨な戦いを繰り広げた。

大日平は静かな湿原だ。我先と競う華やかな花もなく、どちらかといえば控え目な花が心を和ませてくれる。あの血吸い羽虫の猛襲から解放された後では余計に涼やかな風が心地いい。この草原歩きが大日岳の魅力の一つだ。標高差の割には水平距離が長く、時間をとられるが、山頂に至らずともこの平だけを訪れるのもまた楽しみの一つ。

大日岳のもう一つの楽しみ、というか、極め付きは、主稜線に立ったときに臨む剱の雄姿だ。そこに出るまでは山の反対側にある剱は当然見えない。どんな剱が待っているのか、その一心で苦しい思いをして稜線を目指す。たとえ今日のようにガスっていても、もしかしたら、ほんの一瞬だけ顔を覗かせてくれるかもしれない。その瞬間にかけて今日も上を目指した。

だが、しかし、稜線に出ると剱方面は濃い雲が立ち込めていた。山頂に着いてからも30分くらい雲の流れに注視しながらそのときを待ったが、とうとう剱は顔をみせずじまい。まぁこんなこともあるわい、と自分に言い聞かせ下山にかかった。

登り4時間 下り3時間

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