本棚 : 「将門」 矢野隆 著 ★★ PHP
東北陸奥関係の小説がらみで手に取った。
平将門、名前は知っていてもどんな人物だったのかてんで覚えがない。
そんな将門と彼の生きた時代背景をざくっと知るには手ごろな一冊かもしれない。ただ、セリフ回しが口語調しかもタメ口が多いのにちょっと違和感を覚えた。登場人物が多すぎるせいか、人物の書き込みが薄いのは否めない。なんとなく落ち着きのない文章使いも気になった。
中世に入ると小説の挿話としてはどうしても平氏と源氏の存在がはずせない。武士の時代の黎明期、京から離れた関東でも歴史的な抗争が繰り広げられていたことを今初めて知った。