本棚 : 「ハゲタカ」真山仁 著 ★★★ 講談社
投稿者: hangontan 投稿日時: 2015-11-25 18:23:11 (391 ヒット)

これまでは真山仁の比較的新しい作品群を読んできた。ここにきて、ようやく彼がブレイクするきっかけとなったテレビドラマの元となった本作品を手にした。あれだけ世間を騒がせた作品とはどんなものなのか、さて・・・。

プロットの仕込みや物語の展開は申し分なく、すぐれたエンターテイメント作品と言える。だが、それ以上のものではなく、心に染みいる余情に欠ける。それはこれまで手にしてきた作者の作品すべてに共通する点だ。また、最後の詰めも甘い。鷲津の亡父が知り得た謀略が終盤になって明らかにされるのだが、そこのところの説明が不親切とうかおざなりというか、手抜きという感じがした。
同じ金融をモチーフとした作品を描いた池井戸潤とはやや趣が異なる。当然といえば当然のことなのだが、自分としては池井戸の作風に魅かれるものがある。

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