土倉山 2017/4/14

投稿日時 2017-4-19 18:11:38 | トピック: 山旅













さぁ、今日こそは剱が拝めるだろう。きょうの降水確率はゼロ、9時ごろからは完全な晴れマーク。気分をよくして家を出た。だが、剱方面にはうっすらと雲がかかっている。本当に晴れてくるのだろうか。

伊折橋周辺の雪はこの一週間でずいぶん少なくなった。林道もワカン要らず。つぼ足で快適な道路歩き。ときおり出てくる残雪もお愛嬌。左手の山の斜面にはほとんど雪がない。橋を渡った取り付きの植林帯の斜面も雪が切れている。迷わず、末端尾根に廻り込んでスタート。

ピッケルも背負っていないので、ブッシュにひっかかることなく雪のない尾根を行く。踏み跡は明瞭だ。すぐにイワウチワの群落に出くわす。見慣れているとはいえ、今季初、やわらかな日差しを受けて咲き誇っている様は気分を上げてくれる。

700くらいから雪を拾いはじめ、800くらいから雪の上となる。つぼ足でちょうどよい雪の硬さ。心地よいステップで高度を稼ぐ。右手の大日岳周辺の景色をうかがうが、霞がかったようで、くっきり、すっきりとはいかない。まぁ、稜線に出るころには晴れ上がってくるだろうとの期待一心で先をいく。

1000メートル台地。細蔵の稜線の向こうに剱が顔を出すはずなのだが、白く濁っていて輪郭さえ見えない。上を見るとあやしげな雲が湧いてきて、こまかな雨もぽつり、士気は上がるはずもない。寒気が残り上空の空気の層が不安定なのだろう。

稜線に出てからも、雲ゆきはあやしい。毛勝方面の視界は良好だが、雲が後ろ盾になっていて絶景というわけにはいかない。大日方面もまたしかり、うっすらとベールがかかっている。真正面の剱も上半分は完全に雲に覆われている。振り返ると平野部はガスってはいるが、雲が切れてきているようだ。救いなのは速度感をもって流れていく雲。風が強いということは好転への変化の兆し。

土倉山にトライしてから三度目、なんとかましな景色が臨める山頂に着いた。あとは、剱方面の雲が切れるのを待つだけ。カメラを一脚にセットして、その時を待つ。ときより、流れゆく雲の隙間から薄日がさして期待を持たせる。だが、剱にまとわりついた雲だけはなかなか離れてくれない。ねばって、ねばって、40分。これ以上待ってもらちが明かないと思い下山することにした。あわよくば、1000台地付近で雲が切れてくれるかもしれないとの期待を抱いて。

だが、1000メートルまで降りてきても、剱方面には変化はなかった。しばらく休んで様子をみてもその気配はない。あとは一目散に下るのみ。

無事下り終えると、不思議にその頃から陽が射してきて、雲が一気に引いていった。あと一時間山頂に留まっていればよかったのだろうが、山頂に居たときはこんなことは全く予想できなかった。山の読みが完全に外れた数時間だった。

伊折橋起点 取付きまで40分 山頂まで2時間10分 山頂40分 取付きまで1時間20分 伊折橋まで30分



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