「荒野」桜庭一樹 著 ★★★ 文藝春秋

投稿日時 2017-7-22 9:56:53 | トピック: 本棚

いうなれば、これはマンガだ。それも中高生向けの少女漫画。
それを還暦を過ぎた男が暇にまかせて読んでいる。

十代前半といえば、私はこんなにも多感であったろうか。身の回りにこんなにもいろんなことがあっただろうか、こんなにもいろいろなことを考えて生きていただろうか。ひたすら部活と遊びとそれがあたりまえかのように人生の決めごとの一つとして何の疑問も抱かずに学業に打ち込んでいた、だけだった。中学から高校にかけての勉強は未知のものへの探求心と好奇心の扉となったし、テストの評価による達成感もあって、勉強は嫌いではなかった。ただ、国語だけはちんぷんかんぷんだった。興味もわかなかった。国語には答えがないからだ。理屈ではないもやもやとした世界はどうにも苦手だった。人の心をおもんばかるということに疎かったのだと思う。それは今も同じだ。

それは置いといて、十代のころ、何があっても、どんな苦労があっても、それはやがて将来の糧となる、ということは大人になってから思うことで、その渦中にあるときは見えるはずもない。荒野、君には未来がある、大きな可能性を秘めている。だから、荒野、がんばれ、いっぱい悩んで、恋して、いっぱい泣いて、笑って、大きくなれ。



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