「希望の海」熊谷達也 著 ★★★★★ 集英社

投稿日時 2017-9-27 16:27:33 | トピック: 本棚

仙河海市シリーズの短編集。
あの大地震ののち、作者はもう書けないと思ったそうだ。
そんな作者があえて故郷の気仙沼をモチーフとした物語から再び描き始めた。仙河海市シリーズはどれも平易な文章でとても読みやすい。淡々とした描写ながら、心に響く物語を紡ぎだしている。
「ラッツォクの灯」を読み終えたとき、大声を上げて泣いた。心にジーンとくるとか、目頭が熱くなるとか、思わず涙がこぼれる、とかそんな次元のものではなく、まさしく慟哭そのもの。これまで生きてきた中でこれほど大声を出して泣いた記憶はあまりない。



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