「贋作」ドミニク・スミス 著 ★★★★★ 東京創元社

投稿日時 2019-2-10 15:22:51 | トピック: 本棚

これは掘り出し物だ。
一年に何冊の小説が出版され、その中に邦訳物が何冊あるかは知らないが、海外のどこかで誰かの手によって放たれた作品が、邦訳されて一地方の書架に並べられ、そして、たまたまそこに目がって、それがまたとてつもない感動を与えてくれる、そんな幸運な巡り合わせが時としてはある。本作品もその一冊。

単なる贋作ミステリーかなと思って手に取ったら、さにあらず。物語は1630年代と現代そして1950年代、オランダとニューヨーク、オーストラリアを行き来しながら、画像としては目に見えないが、読み進むにつれて心の中に一枚の絵が形成されていく。それは読み手の一人一人の心の絵であって、本を読みながら抱く一人一人の想いにも似ている。



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