「極寒の町」アーナルデユル・インドリダソン 著 ★★★ 東京創元社

投稿日時 2019-9-29 17:32:21 | トピック: 本棚

極まともな社会派推理小説。移民をめぐる問題はヨーロッパでは今かなり深刻な問題となっているようだ。必ずしも、小説の中身がその国の大勢を言い表しているわけではないが、作者を信じるならば、この作品からアイスランドでの移民の置かれる立場や市民の考えが読み取れる。移民肯定派否定派両面からみた社会背景をうまく物語に乗せて、それが推理物語と表裏一体となっている。作者は移民問題をあえてこの作品で提起するつもりもないのだろうが、それを自分の立場に置き換えて読んでいたことは間違いがない。


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