「道誉と正成」 安部龍太郎 著 ★★★ 集英社

投稿日時 2019-10-31 17:49:02 | トピック: 本棚

この時代はあまりにも混沌としていて掴みようがない。だから、いろいろな方面から描いた作品を通じて、その神髄に迫ろうとするのだが、おいそれとはいかないようだ。
作者も同様なことを感じていたらしく、あとがきで以下のように記している。「後醍醐天皇をどう評価するかつかみかねていたし、南北朝動乱の本質がいまひとつよく分らなかった」
それにしても、右に左に激しく揺れ動いたこの時代、朝廷や武士達の覇権争いはともかくとして、戦乱によって発生した領地や権益を巡る争いに巻き込まれた庶民はこの荒波の中どう対処して、どうやって生き残っていったのか、その点が不思議というか気になって仕方がない。

参考図書
「室町幕府と地方の社会」 榎原雅治 著 岩波新書
「鎌倉幕府と朝廷」 近藤成一 著 岩波新書


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