「青春の十字架」 森村誠一 著 ★★ 中央公論新社
投稿日時 2012-2-17 18:18:34 | トピック: 山の本
| いかにも森村誠一の作品にありそうな題名。 「純白の証明」「青春の雲海」につづく山岳三部作の最終巻、というのだが。
これまで読んだ二作品もそうだったが、この作品も中身がまったくない。それどころか、三部作の中では最低の作品となってしまった。この作品からくらべると、最初に出された「純白の証明」がまだましと思えるくらいの出来。
唯一の読みどころといえるのは「著者あとがき」くらい。これだけは森村誠一の意志が感じられる。
「青春の幻影を山岳ミステリーに具象化させたかった」と森村誠一は言っている。
その意味合いはなんとなくわかるのだが、作品としてはいずれも低レベルに終わっている。 もっと、しっかりとした山岳小説を彼には期待していたのに。
「エンドレスピーク」を頂点に、森村誠一の山は終わってしまった。
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