「春を背負って」が映画化に

投稿日時 2012-12-13 9:27:22 | トピック: 山の本

今日の朝刊をみていて驚いた。笹本稜平の「春を背負って」の映画化の記事が載っていた。

自分がつい最近読んだばかりの本の映画化という、不思議な符合に驚いたのだった。しかも、その本は山の本を探していて、なにげなく手にとった一冊だったから、なおさらだ。映画化と自分のとった行動はまったく別の次元で進行中だったのだが、こうして妙な一致をみると、見えない糸に導かれていたのかもしれない。書架に並ぶ数ある本のなかから、この一冊の背表紙に手をかけた瞬間に、それは運命付けられていたのだろう。

監督は映画「剱岳・点の記」でメガホンをとった木村大介さん。「剱岳・点の記」では剱岳の壮絶な自然をスクリーン化した印象が強かった。今回は、原作から抱いたイメージからすると、たおやかな山の風景と人間模様が描かれるものと想像する。

しかし、なぜ富山発山岳映画二作目としてこの作品が選ばれたのだろうか。その点が気になるところ。確かに笹本稜平は山の本としては今一番油がのっている、言わば旬の作家だ。作風は本書のような穏やかなものと、山岳アクションを交えたミステリーものとの二つの路線がある。どちらをとるかは微妙なところだが、山に生きる人間模様に重きをおくならば、前者になるのだろう。

最近読んだ中では、森村誠一の「エンドレスピーク」も当然映画化の対象とされていると思うのだが、なにぶんスケールが大きすぎて、まとめるには大変。しかし、昨今の山ブーム、当たること間違いはないと思う。

それにしても映画「春を背負って」、立山周辺が舞台となるようだが、自分としては大日岳のイメージを小説から抱いていただけに、ちょっと残念。大日周辺だと、ちょっとインパクトが薄いのかも知れない。でも、私の好きな大日が、そっとしておかれるというのも、それはそれでいいことではないか。


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