「義仲これにあり」 吉川永青 著 ★★★ 講談社

投稿日時 2014-11-22 18:46:41 | トピック: 本棚

木曽義仲が生きた時代背景については、先に「木曽義仲」(松本利昭著)を読んでいたので、大体のことは掴めていた。なので、本作品にはすんなりと入っていくことができた。

近年、日本史研究が進み、私たちがガッコウで習っていたのと違う解釈がなされた場面にしばしば出会う。源氏についても、義仲賊軍、頼朝官軍という定説が怪しくなってきている。

本作品は概ね松本利昭氏の木曽義仲像を踏襲している。話の筋も松本氏の「木曽義仲」に沿って進められる。源氏の本流でありながら、「嫡嫡」でないための苦悩が義仲にはあったようだ。ゆえに「嫡嫡」の頼朝とは違った生き方を選ばざるを得なかった。

倶梨伽羅峠で平家に圧勝してから、京に入るところまでは勢いに乗った感がある。しかし、京に入ってから、後白河法皇と頼朝にいいようにやられ、あれよあれよという間に行き場を失っていく。何がどうなっているのか分らぬまま、気がついてみれば賊軍にされてしまっていた。そうなれば落ちていくのも早い。本当に一瞬を駆け抜けた武将だった。




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