「迎え火の山」 熊谷達也 著 ★★ 講談社

投稿日時 2015-1-19 19:08:52 | トピック: 本棚

熊谷達也、4冊目。今回はなんちゃって伝奇小説。

霊峰出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)に伝わる旧盆の護摩焚きにヒントを得ている。
この作品にも触れてあるが、出羽三山神社の由来というか歴史はかなり複雑。神仏ごっちゃにした三山信仰の歴史をわかりやすくひも解きながら、それらとうまく絡み合わせたミステリーとなっている。

だが、話の筋が七合目にくるまで全然見えてこない。終盤に来てようやく物語性が出てくるが、それまでの組み立てがゆっくりすぎて、この作品はどっち傾向なのか戸惑いがち。さらにこの作者にありがちな予定調和の話の筋と締めくくり方に、またがっかり。
熊谷達也は自然描写や土俗的、民族的にかかわる表現や物語の描き方は得意で読ませるものがあるが、男女間の機微や物語性に関しては定型的な面が否めなく、全体としてちぐはぐで、作品としてのバランスに欠ける。そこのところを割り切って読んだ方がいいのかもしれない。



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