細蔵の肩 2015/3/31

投稿日時 2015-4-1 7:03:56 | トピック: 山旅













群馬の仕事が一段落して家に戻ってみたはものの、連日の雑用で東奔西走。その間季節は確実に春に向かっていた。その晴れ間も今日が最後とみて、山に入ることにした。久しぶりの山歩き、腕試しならぬ足試しに行ってくるとするか。

ゲートから歩いて30分。早月川を挟んで細蔵山を正面に見据える地点に着く。今の時期なら春の雪解けの雪代もまだ少なく、濡れずに対岸まで渡渉できる。

取り付きの尾根に張り付く雪は切れ切れで難渋しそう。そこで左の谷側から雪の続いている斜面を辿ることにした。だが、取り付いて間もなく、脈が飛び始め先行きが思いやられる。

一旦不整脈が出ると山にいる間は収まったためしがない。それにしてもいきなりこのタイミングでかよ、と思ってしまう。ひどくならないようにカメカメで歩くが、動悸はひどくなるばかり。全身虚血状態。まず太ももから兆候が出始める。だるくて足が上がらない。この症状が出てくると、次に来るのはだいたい想像がつく。そうならないために、騙し騙し歩く。

一登りすると、雪の融けた夏道が出始める。アイゼンを履いたまま歩いていたが、枯れ葉が刺さりつき、うっとうしいので外すことにした。夏道が途切れて完全な雪の斜面となってからも、そのままつぼ足で行くことにした。

脈の乱れは続く。てんでんばらばら。呼吸を意識して、さらにゆっくりペースで進む。スウスウ・ハーを二呼吸して一歩、それを試していたらいつの間にか動悸が和らぎ、脈も正常に戻っていった。こんなこと初めて。だがペースはのろい。いつまた暴走が始まるかも知れない。次に発作が出たら下山と決めて先を行く。

1230ピーク付近で木ノ根山方面からのトレースの跡を認める。傾斜もなだらかになり、剱や周辺の山々に見とれながらいいかげんに歩いていたら左足を踏み抜いてしまった。思わず右足で踏ん張ったら、右足の太ももが吊ってしまった。ここに来て完全なアウェイ。足を引きずりながら、不整脈への恐怖を抱きながらの登行となってしまった。

それでもなんとか1330台地まで辿りつく。ここに来てようやく細蔵が目に入ってくる。一旦下ってから300の急登。先を行きかけては引き返し、それを何回か繰り返したが、結局、今の体調では無理は出来ないと判断し、ここで今日の行動を打ち切った。

2010年の五月に来た時は2時間半で登頂している。今日はここまで3時間半。この5年間の体の衰えは著しい。山頂を目の前にしての撤退は忸怩たるものがある。もっと歩いて歩いて、いつかまた会心の山を目指したいものである。

登り:ゲートから取り付き 30分 取り付きから1330台地 3時間半
下り:1330から取り付き 1時間半 取り付きからゲート 30分







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