「追い風に帆を上げよ」上・下 ジェフリー・アーチャー著 ★★★★ 新潮文庫

投稿日時 2015-6-12 18:35:22 | トピック: 本棚

クリフトン年代記第四部。
原題が「Be careful what you wish for」、なのに何故こんな邦題になってしまうのか。読んでいれば原題の方が話の筋に合っているような気がする。確かに海運業がモチーフとなっているということに被せたのだろうけれど・・・。邦題からはいかにも順風満帆のようなイメージが思い浮かぶ。しかし、物語的にはこれまでの三部同様ハリーとエマ、ジャイルズの前には時化や大きなうねりが待ち構えている。

ハリーらをなんとしても貶めようとする悪役の執拗な攻撃が今回の主脈。何度叩きのめされてもただでは起きない悪役。きわどいタイミングで生き逃れ、また次の企てを繰り出してくる。ハリーらはそれらに対して多くの人たちの支えと自らの知恵によって立ち向かう。

はらはらどきどき、どうなっていくのか、そして胸のすくような大逆転劇はエンターテイメントの極みだ。

そしてバリントン海運の運命をかけた大型客船の処女航海。ハリーとエマ、ジャイルズは無事乗り切ることができるのか。やっぱりここは「Be careful what you wish for」だろう。



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