大熊谷東山稜 800まで 2015/12/20

投稿日時 2015-12-27 13:12:04 | トピック: 山旅
























前の晩から晴天が約束されたこの日はおそらく今年最後の上天気と思われた。日曜であったが仕事を止めにして山に向かうことにした。行くとなればやっぱり伊折からのトレッキング街道沿いの山だろう。
予報通りに見事に晴れ上がった朝。放射冷却も手伝って気温が下がり、折戸トンネルの下りが凍っていないか心配だったが、全く問題はなかった。それでも一応慎重に下り坂を行く。

伊折の部落を過ぎると、ほんの申し訳程度に雪は積もっているが、剱センターのゲートまでなんなく車は入る。前回は全く雪の無い道を中山まで歩いたが、今回は10センチくらい積雪があった。スノーシューを持ち出すまでもないが、つぼ足よりは歩きやすいだろうと、スノーシューで行くことにする。ゲートからは車の轍以外だれも歩いた跡はない。暖冬の今年にあっては、初めての雪上ハイキング、雪を踏みしめて歩くのはやっぱり気持ちいい。

大熊谷出合に着いて、今日辿る尾根の様子をうかがう。道路上で10センチ程度の積雪なので、どのくらい山に積もっているか分からないが、とりあえず、ここから山に入ることにした。

雪が少なすぎて、一昨年2回利用した取り付きのルンゼがどこなのか判然としない。ススタケや他の雑木も雪の上から出ており、歩きづらい。スノーシューでくるぶしまでの雪の斜面を適当に稜線に向かって藪こぎしながら進む。

積もったばかりの雪は、スノーシューでも底付きする。でも、ないよりはましだ。スノーシューの爪が滑り止めとなってくれる。しかし、雪が少ない分取り回しに苦労し、独りぼやきながら藪をこぐ。そんなこんなで、余計な労力を使って、なんとか稜線に出た。そこはいつものルンゼから上がってくる一つ前のピークだった。

ここに来てようやく剱が目に入って来る。稜線上は30センチくらいの積雪で、ススタケや雪の重みで横に倒れた木々が行く手を阻む。ノコギリがあったらなぁ、と何度思ったことか。ザックに結わえたピッケルもブッシュにひっかかり、歩きづらいことこの上ない。雪の少なさと藪の濃さに辟易しながら緩やかな稜線をちょっといくと、急登にさしかかる。ここから先は木登りも覚悟しなければならず、帰りのことも考えて、ここで今日の行動を打ち切った。新雪の下りはスノーシュー歩きの楽しみの一つだが、この雪と藪ではそれも苦痛に変わる。

10時半に出合いに戻った。ゲートを出てから3時間半の旅だった。天気もよく、このまま帰るのももったいなかったので、馬場島への道を辿ることにした。来る時にはなかったが、数人と思われる登山者の足跡が車の轍についている。中山を目指して入って来ているのだろうか。ゾロメキを過ぎるとこの街道で一番のお気に入りの地点にでる。そこからは、剱からの北方稜線が左流れに落ち、大窓から再び猫又へと上がるスカイラインが一望できる。手前には馬場島へと続く道がカーブを切って山懐へと続いており、光り輝く山々と絶妙な陰影となって奥行きのある景色を醸しだしている。

今度来る時はもっと雪深くなっていることを期待して、来た道を戻ることにした。

ゲート起点 大熊谷出合いまで20分 東山稜800まで2時間10分 出会いまで1時間10分


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