「岳飛伝」 全17巻 北方健三 著 ★★★ 集英社

投稿日時 2016-7-12 11:23:00 | トピック: 本棚

ようやく終わった、というのが素直な感想。よくもまぁ、ここまで引き延ばしてきたものだ。

「水滸伝」「楊令伝」から比べると物語のメリハリに欠けるし、主人公の岳飛にしても、「水滸伝」「楊令伝」に登場する英傑と比べても、さほど魅力ある武将として描かれているわけでもない。「水滸伝」「楊令伝」から引き継いだ遺産と呼ぶべき数々の人間模様と岳飛の生きた時代背景のみがこの作品を支えてきたような気がする。

半ば自分に課したノルマのように17巻まで読み続けてきたが、これで一つ喉のつかえが取れた。と同時に、心のどこかにぽかんと穴が開いたという気もしないでもない。おもいっきり静かな幕切れがよかった点かな。

「岳飛伝」には二度目はないが、手に汗握り本を閉じ、今か今かと次巻を待った「水滸伝」「楊令伝」はもしかしたらもう一度読む機会があるかもしれない。あの英傑らの活躍にもう一度胸躍らせてみたい。



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