「アイアン・ハウス」ジョン・ハート 著 ★★★★ ハヤカワ・ミステリ文庫

投稿日時 2016-9-12 18:23:47 | トピック: 本棚

星五つとしたかったが、謎解きの核心部にそんなのありかと思われる手法が採られていたので、そこだけが気になった。

冒頭、作品作りに関わった方々への謝辞がかなり長い。これは彼の作品全般に言えること。作品作りに関わるありとあらゆる分野に言及している。細部へのこだわりとストーリー展開への他者からの助言とアドバイス、それらなくしてこの作品は生まれなかった、そのことに対して彼は素直に感謝の言葉を述べている。だが、そこには現代の小説手法の一つの典型があるように思える。独りパソコンとにらめっこしながら一つの作品を完成させるのも、それはそれでありなのだろうが、彼のように広く他者の意見を取り入れて作品を作り上げていくのも一つの手法であろう。読者により満足のいく作品を提供するという視点に立てばなんら不思議なことではない。いわばチームとして作り上げた小説、そんな謝辞に思えた。



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