「あのハセンバを探せ」 美女平 ミッション・コンプリート 2016/10/11

投稿日時 2016-10-20 12:42:46 | トピック: 山旅











利賀出身の友達から「ハセンバ」のことを聞いたのは4年前の秋。ハセンバとは何ぞや?ウエブで探してみても当時はヒットしなかった。そこで県立図書館で利賀・五箇山の方言集をひも解いてみたら、「ツノハシバミ」の方言であることがわかった。そこからは早かった、ツノハシバミはヘーゼルナッツの仲間だった。日本にヘーゼルナッツがあることそれ自体、大きな感動と驚きだった。以来、秋に山に入るときには気を付けて見ていたのだが、なかなか出会うことができなかった。今年も2回山に入り見つけられなかった、これはやはり、山友達と一緒に行って教えてもらうしかないと思い始めた矢先のことだった。

ナメコの発育状況の観察を兼ねて、ハセンバ探しに出かけた。材木坂はツキヨタケが全盛期で、それとは知らなければとても旨そうで採ってしまいそうになる。これがあるうちはまだナメコの生える環境は整っていない。常願寺川を挟んだ対岸の大辻山とはずいぶん差がある。大きな違いは気温と湿度だろう。大辻山が日本海側からの冷たい湿度を含んだ風を遮っているようだ。
美女平を3時間かけてハセンバを求めて這いずり回った。ここもツキヨタケの天国。なかなかそれらしき木にはお目にかかれない。こんな木であろうと想像しながら行くのだが、やっぱり見つけることはできなかった。

だが、帰り際にふと思いついて立ち寄った場所を覗いてみたら、はたして、そこに写真で見たことのある実が成っている低木があった。コシアブラやタラノキのような一本立ちの木を想像していたが、それは雪の重みでややひしゃげたような株立ちの低木だった。葉っぱはどこの山でもみかける、ごく普通の葉っぱ。実が付いていなければ、ハセンバの木とはまずわからない。これまで本当によく見かけてきた木だった。これまではやみくもに探していたが、これからはその木だけに着目すればよいので、探すのも楽だ。胸のつかえが取れ、秋の山旅の楽しみがまた一つ増えた一日だった。



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