富山のくすりの中の生薬 : マオウ(麻黄)
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-11-19 20:54:44 (1200 ヒット)

神農本草経の中品に収載される要薬で、現在でも漢方薬等に汎用されていますが薬用としての利用の歴史は東洋医学以外では見当たりません。日本では明治20年に長井博士により主成分であるエフェドリンが単離され、後に喘息治療薬として使われるようになり多くの人に知られるようになりました。麻黄の名は噛んだときにやや麻痺性の味がする黄色の茎により名づけられました。日本名は漢字の音読みです。属名のエフェドラは石の上に生育することを意味し、内蒙古など高冷乾燥地を好む植物であることを表しています。
日本ではマオウはクスリに分類され薬事法の規則を受けますが、アメリカではハーブの健康食品として扱われます。

植物の特徴
 マオウ科はマオウ属1属の単型科で、雌雄異株、半低木状の裸子植物です。初夏に花を付け、受粉しますが、受粉から受精まで約10時間かかります。他の裸子植物が数ヶ月から1年かかるのに対し、非常に短い時間で終わることや、種子が2ヶ月ほどで成熟し、多肉質でまるで果実に見えることは被子植物に近い植物であるといえます。
茎は緑色で細く、節間は3〜5僂如各節に退化した小さな葉が鱗片状につきます。
 薬用として用いられる植物は3種類です。シナマオウ(草麻黄)は、木質茎が土中にあり、緑色の細い茎を20〜40冂称させます。中麻黄とキダチマオウ(木賊麻黄)は太い木質茎が直立し、前者は白い粉に覆われ、長い節間の草質茎を持ち1m以上になります。後者は短い節間の草質茎で70〜100僂砲覆蠅泙后
生  薬
秋に草質茎を刈取り風通しのよい所で乾燥した後、天日で完全に乾燥します。茎が太く、淡緑色で内部が充実し、苦く、渋いものが良い。成分はアルカロイドのエフェドリン、プソイドエフェドリン等約1%を含みます。

薬効および使用法
 「喘咳、水気を主治す。故に一身黄腫、悪風、悪寒、無汗を治し、頭痛、発熱、身疼、骨節痛を兼治す」(薬徴)とあります。
)祺湯 風のひきはじめで、さむけがして発熱、頭痛があり、体のふしぶしが痛い場合の感冒や鼻かぜ。
∨祕芙鏨電髻ヾ慇當法⊃牲伉法筋肉痛。
K祕百点佚髻‐児喘息、気管支喘息。
ぞ青竜湯 気管支炎、気管支喘息、鼻水、うすい水様の痰を伴う咳、鼻炎。
薏苡仁湯 関節痛、筋肉痛。

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