パナワンの成分 : ゴオウ(牛黄)
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-11-19 21:03:18 (1438 ヒット)

牛の胆のう中に生じた「結石」を乾燥させたものです。この胆石が発見できるのは牛1000頭に1頭ともいわれ、その希小性と、多くの人の健康を支えるすばらしい薬効とが相まって、ゴオウを、 「高貴薬の中でもひときわ価値のある特別な存在」たらしめています。
大きさは径1〜4cm、表面が黄褐色あるいは赤褐色の塊で、破砕面には木の年輪のような輪層紋があります.牛黄は、軽く、もろく、砕けやすく、味はわずかな苦みのなかに甘みがあります。
ゴオウは、効き目が古来からよく知られ、現在でも高い需要があるにもかかわらず、稀少な生薬であることから金の何倍もの値段が付き非常に高価です。昔、武士や旅人の常備薬として、刀傷などに対する抗炎症効果、増血効果を期待し、また発熱、動機、息切れ、不眠、イライラの解消や疲労回復などに用いられてきました。現在では、高価な栄養ドリンク剤などに配合されていますが、含有量をみると極めて少量です

ゴオウは、かなり古くから効き目のあらたかな薬として珍重されてきました。
「神農本草」ではゴオウは「上薬」に分類され、「命を養う薬」として、毒がなく、量を多くのんだり長期にわたって服用しても害がない薬とされています。
ゴオウがいかに人々にありがたがられているかを示すエピソードのひとつに 護符の話があります。護符とは「牛黄宝印」とか「牛玉」とか書かれたお札。無病息災のお守りの一種ですが、この護符の文字はゴオウを入れた墨によって墨痕鮮やかに記されています。墨に溶け込んでいるだけでも人間を災厄から守ると信じられているゴオウ。昔も今も最高ランクの効き目を持つ生薬として重用されています。

ゴオウの薬効としては「神農本草」に「驚癇寒熱、熱性狂痙」という記述があります。現代の言葉に直すと、驚いて卒倒した者や高熱で痙攣を起こした者、精神異常をきたした者に効くという意味です。また、時代が下って漢の時代の漢方書「名医別録」には、「小児の百病、諸癇熱で口の開かぬ者、大人の狂癲を療ず。」とあり、つづけて「久しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人をして忘れざらしめる。」と記されています。これはゴオウが「子どものあらゆる病気、口も開けないほどの高熱、大人の精神錯乱など幅広い症状」に用いることのできるお薬で、しかも長期に渡って服用すると「寿命を延ばし、物忘れしなくなる」働きも期待できることを示しているものです。ゴオウはまさに赤ちゃんからお年寄りまで年齢を問わず効果をあらわす貴重なお薬といえます。

現代の中国では、ゴオウを、芳香開きょう薬というカテゴリーに分類しています。よい香りを持ち、心に入って邪を除き、意識回復に働く薬という意味です。主な効能としては、開きょうかっ痰、清熱解毒が挙げられ、高熱や熱病による意識障害、炎症や痙攣に効果があるとされています。とくに、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害による意識障害に用いられるケースが多く、これは、ゴオウの抹消の赤血球数を増加させる働きや、抗酸化作用によるものと考えられています。
生薬は、構成成分が複雑なため、作用を簡単には説明できないといわれています。なかでも、ゴオウは価格も高価なことから、研究が進みづらかった生薬のひとつです。しかし、薬効に対する研究は徐々に積み重ねられており、上記以外のいくつもの作用が発見されて、滋養強壮薬や強心薬、小児用薬、感冒薬、胃腸薬などに広く応用されています。

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