富山のくすりの中の生薬 : リンドウ(竜胆)
投稿者: hangontan 投稿日時: 2007-6-22 6:56:53 (1568 ヒット)








苦味健胃薬として使われているリンドウ科の生薬にゲンチアナと龍胆、センブリがあります。3種類同時に配合されることはありませんが健胃剤には良く配合される生薬です

リンドウ(竜胆)
 薬としての利用は古く神農本草経の上品に収載され、『骨間の寒熱、驚癇邪気を主る、絶傷を続ける、五臓をさだめる、蠱毒殺す』とあり、単に苦味健胃薬に使用されていたのではなく、抗炎症性の薬物として使用されていたことがわかりまする。
 長い間、熊胆のような苦さ故に神秘的な架空の強い動物名「竜」の名を付けられたと理解していました。しかし、調べてみると別の説もありました。宋代の「開宝本草」に『イヌホウズキのことを「竜葵」と言い、葉が似ていて苦味があることから名付けた』と記してあります。これらの逸話からも残留性のある強い苦味が理解できると思います。日本名のリンドウは竜胆の中国読みロンダンが訛ったものです。


リンドウ属の植物は世界に約400種あり、どの植物でも竜胆として使われているとは限りません。第14改正薬局方では、トウリンドウとその変種のリンドウ、ツクシリンドウ、ホソバリンドウ、トウオヤマリンドウ(三花竜胆)とその変種のエゾリンドウとマンシュリカ種(条葉竜胆)に規定されています。その他に中国ではレゲッセンス種(堅竜胆)、日本ではアサマリンドウやトウヤクリンドウを用いたことがあります。
 園芸用のリンドウは主にリンドウとエゾリンドウ、ヒマラヤ産のハイリンドウを中心に高配した種で、苦味が薄く使用することはありません。
植物の特徴
 日当たりの良いやや湿った所を好みます。根は根茎部が短く、多数の根を密生します。葉は卵状披針形で笹の葉に似ているためササリンドウの別名があります。花は茎の先端および葉腋に叢生し、藍色で明るいときは先端が5裂に開きま
す。曇りの日や夜間、受粉が終わると閉じます。

生  薬
短い根茎の周りに長さ10〜15僉径約0.3冂の細長い根を多数付けたもので、質が柔軟で、根が太く、長く黄褐色で、臭いが弱く、苦味が強いものが良品です。秋に根を掘取り、地上部を切取り、水洗いしてから根を揃え、天日で乾燥します。
成分はゲンチアナと同じく苦味配糖体のゲンチオピクロサイドを含有しますが、アマロゲンチンは含んでいません。他の苦味配糖体はトリフロロシド、スウェルチアマリン等を含有します。キサントン類のゲンチシンも含有しています。

薬効および使用法
苦味健胃薬として家庭薬に配合されます。漢方処方には抗炎症作用を期待して以下の処方に配合されます。
[誼設担療髻’喃痛、残尿感、尿のにごり、こしけ
∩揃亞莊貪髻ヾ慇當法⊃牲伉法腰痛、筋肉痛

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