パナワンの成分 : ジャショウシ(蛇床子)
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-11-14 16:52:34 (1285 ヒット)

『神農本草経』の上品に収載され、古くから用いられてきた生薬です。李時珍は「蛇、虺(まむし)が好んでその下にその子を食ふ。故に蛇、虺、蛇粟などの諸名をつけたのだ。」と語源を説明しています。さらに、「凡そ花、実の蛇床に似たものは当帰、川芎、水芹、藁本、胡蘿蔔(ナニンジン)などである。」と言い、セリ科植物であることを示唆しています。現在は中国産のオカゼリを当てていますが、国内にこの植物が生息していなかったため、色々の植物が当てられていたようです。

『本草綱目啓蒙』で小野蘭山は「水草のヒルムシロ(ヒルムシロ科)の実を蛇床子として売るのは間違っている。現在はヤブジラミ(セリ科ヤブシラミ属)の実を用いているが、真物の中国産蛇床子は毛刺無く、竪に細稜があってヤブジラミとは異なる。本邦の海辺に浜ニンジン(ハマゼリ)と呼ぶものあり、苗の形、葉、花はセリに似ていて中国産の蛇床子と異なるところはない。これが真の蛇床子である。」と述べています。ハマゼリはオカゼリと同属(ハマゼリ属)であり、間違えたのもうなずけます。

植物の特徴
草丈30〜80僂砲覆覦貲草。茎は直立し、円柱形で縦稜があり、柔毛が疎生します。葉身は卵形で2〜3回羽状に分裂し、先端は尖鋭形。4〜7月頃複合集散花序に花を頂生または腋生します。果実は双懸果で楕円形。中国の大部分の地域に自生しています。

生  薬
 果実が成熟し、黄色を帯びてきたとき株ごと刈取り、果実を打落として後天日で乾燥します。顆粒が豊満で、灰黄色、においが強いものが良品。精油成分ピネン、カンフェン、ボルネオール、イソバレレイト等やオストール等クマリン類を含有します。

薬効および使用法
 収斂性消炎薬として婦人の陰部の陰痒、陰腫に用います。男子のインポテンツや陰嚢湿痒に外用します。漢方処方は次の通り。
〇飴甸 インポテンツ、冷感症、不妊症。
⊆愍音匯 婦人の陰部を暖める座薬。

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