サプリメントの話 : コエンザイムQ10
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-11-11 17:40:25 (2665 ヒット)

CoQ10がエネルギー生産をサポートする健康食品として発売されたのは2001年のこと、2004年夏にテレビ番組の影響でブーム化した。 販売好調のCoQ10は、人のエネルギー生産を促進する補酵素「コエンザイムQ10」である。エーザイが「ノイキノン」の形でCoQ10は国内では心不全の治療などで販売。軽度の、中度のうっ血性心不全の治療薬で、OTCでも販売されている。

 CoQ10は補酵素のひとつで、ビタミン様物質で別名ユビキノン(ubiqulinone)と呼ばれる。Ubiquitous(いたる所に存在する)からきた名前で、酵素の働きを助ける補酵(Coenzyme)です。キノン骨格にイソプレンが重合した炭化水素の長い鎖が伸びていて、10といす数字はイソプレンの個数を意味しています。そのため水には殆んど溶けない疎水性物質です。真核生物(すべての動植物)の細胞にはミトコンドリアという細胞内小器官があります。そこは呼吸(酸化)によってエネルギー(ADP→ATP)を産生する工場で,酸化的リン酸化反応という電子伝達系の反応系で、CoQ10は、チトクローム系とともに、エネルギーの通貨であるATPを合成しています。そのためCoQ10は生きるために不可欠な物質です。ビタミン様物質なのですが、細胞自身で生合成されておりそのため、ビタミンの定義[生体内で生合成できない]からはずれていますが、ビタミンB群と同じように補酵素で[ビタミンQ]とも呼ばれています、生体で合成されるとはいえ、CoQ10は,加齢や疾患によっては不足するといわれています。 

特に心臓の心筋細胞には、ミトコンドリアが多く、大量の酸素を要求して、骨格肉などで出来た乳酸なども燃料にして炭酸ガスと水に分解しATPを産生して、このエネルギーで心筋のアクトミオシンを収縮させ血液を体中に送り出しています。このためCoQ10の欠乏は、すぐ心臓の活動に影響が出てきます。この他、腎臓、肺、膵臓、歯周組織、免疫系などの器官で欠乏すると影響がでると考えられます。
国内では1960年代から、心筋を保護する薬として心臓病に用いられてきましたが、2001年に厚生労働省が行った食薬区分の改正で食品として認められるようになりました。
 食薬区分とは、1971年に発せられた厚生省薬務局通知「無承認無許可医薬品の指導取締まりについて」に添付されたリストです。医薬品と食品の双方に使われる可能性の高い約350の成分が6つに分類されていた。リストに記載されていない成分については、厚労省が問い合わせた人にだけ判断を伝えていた。健康食品業界の働きかけにより、2001年に食薬区分が大幅に正され、1200種の成分に対して「もっぱら医薬品に使用されるもの」と「医薬品的効能を標榜しない限り、直に医薬品はみなさないもの」に分類しなおされた。

 実はCoQ10は健康食品として販売された2001年以前から、食品として使える成分でした。厚生労働省はCoQ10の食薬区分を公表していなかったが、個別の問い合わせに対して「主として医薬品として使用される(が食品にも使える)もの」と答えていた。それなのにCoQ10を健康食品として売り出す会社が現れなかったのは「食品添加物としての指定が必要」という非公式な見解が厚労省からだされていたからだという。したがって健康食品に使えるようになったのは01年3月にCoQ10が食薬区分リストに掲載された後、同年6月に、食品添加物の指定を受けなくて良い旨の通知がだされた以降です。
 これは、化学合成法で製造するものは食品添加物扱いという暗黙の基準があったためで、特に日清ファルマなどは危機感を抱いて、厚労省に働きかけたとみられる。米国でのサプリメントとしての使用実績や安全性のデータをだしてアピールしたようである。その甲斐あって、CoQ10は化学合成品ながら一般食品として、健康食品に使えるようになった。
 健康食品としての効能は、抗酸化剤である。CoQ10は水素伝達系で(H+)を供与する働きがあるので当然還元力はつよい、他の物質を還元すると本人は酸化される、CoQ10を還元して元に戻すにはビタミンEが適している。そこで酸化されたビタミンEを戻すにはビタミンCの出番である。さて最後に酸化されたビタミンCは水溶性なので容易に尿から排出される、健康食品のCoQ10の錠果には抗酸化剤として大抵ビタミンEが配合されているので、これのほかにビタミンCを摂取するのがより効果的であろう。
 抗酸化剤とは,活性酸素除去作用のことである、活性酸素除去とは、老化防止作用ともいえる。ビタミンA、C、EとともにCoQ10を摂取すると肌の健康維持に役立つであろう。CoQ10に最近人気が出た理由の一つは、若返りの働きがあることだという。これは使った本人がそう感じると報告しているのであって、科学的データがあるわけでない。
 CoQ10は、本来生体内物質なので、一日240mg服用しても副作用はなく。安全だったという報告も在る。普通、1カプセルに30mg、60mg、100mgの入った容器が並んでいる。用量は一日100mg〜200mg服用する人が多い。1ヶ月で1万円以上かかり、サプリメントの中では高価な方である。また近頃、品薄である。そのため天然抽出物CoQ10も多く出回っているが生体組織の含量はもともと低く、CoQ10 が如何ほど含まれているかに疑問のある製品も多々見受ける。一方合成品は割安でしかも品質がよく、含量が確実ですので安心です。

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