くすり屋のトリビア : 糖尿病のインスリン療法
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-11-17 17:08:39 (1345 ヒット)

生活改善や飲み薬でも血糖値のコントロールがうまくできないほど膵臓のインスリン分泌能力が低下している場合は、インスリン療法が行なわれます。これは直接的なインスリン補充療法で、患者が自分でインスリンを皮下に注射して行ないます。最近の機器は針が細くて痛みも大幅に軽減され、形も万年筆のようなペン型注射器が主流で、携帯にも便利です。注射するインスリン製剤には、効果が現れるまでの時間と作用する時間の長さから、超即効型、即効型、中間型、持続型、混合型の5種類があります。患者の病態、症状に合わせて、朝昼晩の食前前に超即効型、夜の就寝前に持続型を使うなど、タイプの異なるものが組み合わされて使用されます。それにより健康な人のインスリン分泌パターンに近づけることができ、血糖値を正常範囲内にコントロールすることが可能になるのです。

インスリン注射の治療を進める上で要注意なのが「低血糖」。これは飲み薬の場合と同じですが、薬の効果が強く現れすぎたり、あるいは適当な量の食事がとれなかったりして、血糖値が正常範囲を超えて 下がってしまう状態。低血糖になると、動悸や頭痛、ふるえ、目のくらみ、冷や汗などの症状が起こり、重症の場合は昏睡に陥る危険性があるので、くれぐれも注意が必要です。『糖尿病は典型的な一病息災です。血糖値さえコントロールできれば、健康な人とまったく変わらない生活、人生が可能です。必要以上に落ち込まず、根気強く生活習慣の改善に努めましょう』

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