くすりのQ&A : かぜ薬の使用上の注意に「数回服用しても症状の改善がみられない場合は服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること」とありますが、このことについて説明して下さい
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-12-23 5:54:53 (981 ヒット)

通常、かぜは5〜6回の服用により症状は改善されてきますが、熱が下がらず3日以上続いたり、また、発熱が反復したりするときは他の疾患や合併症も考えられますので、一時服用を中止し、相談して指示を受けるべきです。必要によっては医師の診断を受ける必要もあります。

かぜは主にウイルスの呼吸器感染によって引き起こされていますが、冬場に流行するインフルエンザウイルスや、春・秋に流行するライノウイルス、夏場に流行するアデノウイルスなどが知られています。かぜの大部分はインフルエンザウイルスによって引き起こされるインフルエンザと、主としてライノウイルスによって引き起こされる普通感昌(鼻かぜ)です。かぜにかかると鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、せき、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛みなどの症状が現れます。これらの症状を一括して<かぜ症候群>と呼んでいますが、ウイルスの種類によって主要な症状が違います。

インフルエンザ…インフルエンウイルスの呼吸器感染によって起こる疾患です。
発病の多くは急激で悪寒、発熱に始まり、体温は急激に上昇し、38〜39℃にも達し、発熱とともに頭痛、腰痛、筋肉痛、関節痛などの全身各部位の疼痛、全身倦怠感などの全身症状を強く訴えます.これらの全身症状と同時にあるいは少し遅れて鼻水、鼻づまり、咽頭痛、咳などの呼吸器症状が現れます。その他腹痛、下痢などの消化器症状を現わすこともありますが、これはインフルエンザの本質的な症状ではありません。
経過としては発熱は発病後の1〜2日で最高体温に達した後、解熱し始めます。発病後3〜4日で解熱してしまうか、解熱してしまわないまでも、体温下降の傾向を示します。症状は発熱が高いときは著明で解熱するにつれて症状は軽快します。合併症を伴わない限り、およそ1週間の経過で治癒するか、咳、それも痰を伴わない乾咳(からせき)だけが残ったり、全身倦怠感がとれなかったりすることもあります。典型的なインフルエンザでは、このような症状と経過を示すが、時にはごく軽いものあるいは逆にやや重い経過を示すものまであります。
(注)インフルエンザは、普通1週間の経過で治癒に向かいますが、時には肺炎を合併して重症となります。この場合には発病後3〜4日たっても一向に解熱しないか、一旦解熱した体温が再び上昇する事があります。また、咳、痰が著明になってくるといった点に注意する必要があります。この場合は速やかに医師の診断を受けることが大事です。

普通感冒…いわゆる「鼻かぜ」と呼ばれるもので、症状はゆっくり現れます。
鼻やのどの粘膜の乾燥感、違和感などで始まります。くしゃみが頻発し、鼻水が出てきます。鼻水が始めは水様で大量に出てきますが、その後、粘液性から粘液膿性と変わってゆき、この時期になると鼻づまりが強くなります。さらに、のどの痛みや咳も伴います。発熱はあっても、せいぜい37℃台程度であり、全身的には軽度の倦怠感を覚えます。
原因ウイルスとしては、ライノウイルスが主として原因となり、1週間前後の経過で治癒しますが、時に中耳炎、副鼻腔炎を合併することがあります。

●かぜ症候群を起こすウイルスに有効な抗生物質や化学療法薬は、まだ臨床上使われていないので、治療は症状の緩和にむけられます。《医療用、一般用(薬局、薬店)配置用のかぜ薬ともども》
かぜをこじらせると合併症を起こして体の調子を大きく崩してしまうことがありますから、保温に心掛け消化の良い栄養豊富な食物をとり安静にして早めに適切な治療(…かぜ薬)をする事が治りを早める上から大切です。

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