「擬態―カムフラージュ」
ジョー・ホルドマン 著 ★★ 早川書房
太平洋の深海で発見された謎の人工物の探査からこの物語は始まる。それはこれまでに発見されたどんな物質よりも重い謎の金属でできており、いかなるドリルやレーザーを使っても、構造を調べるどころか、傷ひとつつけることができなかった。この出だしからはハードなSFを連想させるが、実際はそうでもない。様々なもの、生物に擬態、変化できるエイリアンが登場し、僕の内に潜む変身願望をくすぐらせてくれる。その擬態の描写がユニークというか人間味あふれていて、微笑ましさすら覚える。ちょっとだけエロチックな部分もあり、あっという間に読めてしまう。B級SFノンストップ・アドベンチャー。
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