「秘密」
東野圭吾 著 ★★★ 文藝春秋
どんな秘密があるのだろうか、興味津々で手に取った。 スキーバス事故で死亡した奥さんの魂が、そのとき奇跡的に助かった11歳の娘さんに乗り移った。それは世間への秘密。その事故で死亡したバス運転手さんの秘密。寝る間を惜しんで、過労気味になりながらも自ら残業を申し出ていたその訳とは。その運転手さんの別れた妻の持つ秘密。娘が次第に大人になっていくにつれ、父と娘がお互いに持ち始める秘密。ある日突然、娘の心が帰ってきた。そこから始まる新たな秘密。 厚手の本であるが、軽く読める。意識してはいないのだろうが、表現にはこだわらず、さらりとモチーフを描きあげている。なおかつ長編としての整合性がうまくとれている。
「秘密」 |