「ザ・ストレイン」
ギレルモ・デル・トロ 著 ★★ 早川書房
「アカデミー賞映画監督が放つ2009年最高のノンストップ・パンデミック・スリラー」というふれこみだった。 着陸した大型旅客機の乗客全てが座席に着いたまま死亡、という出だし。これはウイルステロかなと思わせる。どんな悪党との対決が始まるのか興味深々。主人公であるCDCの職員の家族とのふれあいも織り交ぜながら、まさに映画を見ているかのように場面は進んでいく。しかして、その実態は、ヴァンパイアクロニクルだった。復活を野望するヴァンパイア、そしてそれと手を組み永遠の命と引き換えに心を売ってしまった実業家。そして、この手の話には付きものの打倒ヴァンパイアに執念を燃やす博士風の老人も登場する。 圧倒的な数のアンデッドに対して、少人数のヒーロー。CGを駆使した映画が目に浮かぶ。 典型的なヴァンパイア物語となってしまった。ヴァンパイアものはパターンが出尽くされ、新境地を開くのは難しいと感じた。
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