「外事警察 CODE:ジャスミン」

麻生幾 著 ★★ NHK出版

麻生幾にしては珍しく連作もの。 「外事警察」の二作目。 目下、映画も公開中の話題作。 前作ではまぁまぁの感触を得たが、今回はがっかりさせられた。 事件の(というか物語の)状況説明に多くのページが割かれている。それをしないと物語にならないというところが、この作品をつまらなくさせている。 唯一書きこまれている主人公の「住本」の物語は紋切り型でイージーな設定。本作品の鍵となる協力者“ジャスミン”の物語については幾分か練られているが、これも類型化している。 さらに、筋立て自体、なんでもありの感がある。最後の最後に来て、「そんなぁ」という結末。こういうシュミレーション的な作品は、構成に失敗すると、真実味というかリアル感に欠けるフィクションとなってしまう。期待していただけに、残念。

「外事警察 CODE:ジャスミン」

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