「オーデユボンの祈り」
伊坂幸太郎 著 ★★★ 新潮文庫
この本は息子の本棚から拝借してきた。 息子曰く、読み終えて手で膝を打つこと間違いなし。 まぁ、とにかく読んでみよう。 なんか「海辺のカフカ」と似たような雰囲気。村上春樹と作風が似ている。おとぎ話とミステリーの融合とでも評すべきか。組み込まれている挿話の連続体でこの作品は成り立っている。その挿話一つ一つがとても短いのだが、それはそれとして一つの物語として十分読める。そして、その挿話には仕掛けが施されていて、言わば、ミステリーの伏線として機能している。そして、読み終えたとき、その挿話がジグゾーパズルのピースとなり、一つの物語が形作られているのに気づく。 読後感としては、中の中くらいの作品だと思うのだが、そのところを息子に話したら、伊坂幸太郎は伏線を散りばめておいて、最後にそれを「回収」していくのだと言う。だから、妙な話が出てきたらそれが伏線だと思えばよい、と。
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