「カッコウの呼び声」
ロバート・ガルブレイス 著 ★★ 講談社
J・K ローリングがロバート・ガルブレイス名で出した探偵小説。はたしてその実力はいかに。 スーパーモデルがマンションの一室から転落死する。それは自殺なのか、他殺なのか、探偵コーモラン・ストライクがその謎に挑む。 死亡したスーパーモデルの取り巻き周辺が浮世離れしている連中ばかりで、庶民とかけ離れた生活を送っている。そして、主人公の探偵コーモラン・ストライクも超有名なロックスターを父に持つ。なんか出来すぎのような設定に最初は白け気味。 事件の謎を追って、コーモランは彼女と関係のあった芸能人、有名人への聞き取りを開始する。バカでかい図体のわりには捜査は基本に忠実で、メモをきちんと整理して、推論をすすめていく。聞き取りを進めていくなかで、スーパーモデルとそして彼女と関係のあった人々の生活があぶり出されていく。みんなまともなことを言っているように思えるが、誰かが嘘をついている。そしてほんのわずかな綻びから事件の真相へと迫っていく。 J・K ローリングはあえて古典的な探偵小説に挑んだのか、あるいはもともと探偵小説を描きたかったのかわからないが、この一作からすれば、アガサクリスティには遠く及ばない気がした。
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