「クライム・ウエイブ」
ジェイムズ・エルロイ 著 ★★ 文藝春秋
今年になって自分の中ではじけたジェイムズ・エルロイ。「アンダーワールドUSA三部作」と「LA四部作」を読んで、エルロイの世界にどっぷりと浸り込んだ。彼の作品ならどれでもいいと思って手にしたのがこの一冊。 随筆のような、小説のような、つかみどころのない、とりとめもない散文的な短編集。エルロイのことだから、どんな爆弾を仕掛けているのかと期待して読み進んだが、それまでの作品には及びもつかない内容にがっかり。以前の作品にみられるような破壊力もなければ毒舌もない。ジェイムズ・エルロイを「いいとこ取り」するなら、やっぱり「アンダーワールドUSA三部作」と「LA四部作」だろう。
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