「黄昏に眠る秋」

ヨハン・テオリン 著 ★★★ ハヤカワ・ポケット・ミステリ

いつも思うけど、スウェーデンの作家の作品は人名が覚えづらい。 ミステリとしてはよくできている。後半から終盤にかけてのなぞ解きはなかなかの見もの。老人施設に入居中の「現役」老人が探偵役といのも時節がらか。 なにより、話の舞台となっている全盛期を過ぎた石灰岩平原という漠とした風景に魅かれる。世界は広いというが、その土地にはその土地特有の空気があり匂いがあり風が吹いている。そんな雰囲気が作品全体を覆っている。 居ながらにして、スウェーデンの島に旅した気分にさせてくれる、そんな作品だ。

「黄昏に眠る秋」

Loading